公務員の給料は安い!
いや、高い!
という議論がネット上でよく話題として持ち上がります。
なんとなく、公務員批判という感情論だけで議論が進んでいる印象を受けます。
今回は、公務員退職者である私が思ったことを書いてみます。
実際に働いていて公務員の給料は安かった?高かった?
私自身、とある県の県庁に努めていました。
部署は詳しくは伏せますが、土木関連の計画を主にやっていました。
いわゆる公共事業と言われて連想するような仕事ですね。
当時働いていた部署は本当に忙しく、22時まで残業することは当たり前。
そんな中、残業は月20時間までしか認められず、不満タラタラの中仕事をしていました。
だからといって、仕事自体は嫌ではなかったですし、自分の給料にも満足していました。
ただ、労働の対価に見合っていないとグチを言う人は多かったように思います。
公務員側の意見としては、給料は安いと感じている
公務員として働いている身としては、
自分たちがもらっている給料は安いと感じています。
実際、自分が働いている時間分の給料がもらえていないわけですし、
当然の不満ではあります。
公務員以外の人は給料は高いと感じている?
実際に働いている人は安いと感じているにも関わらず、
「公務員の給料は高い!」という人がいます。
自分たちの給料が高いか安いかは、
働いている本人にしかわからないはずなのになぜなのでしょう。
1.役所の職員がやる気ない
一口に公務員と言っても様々な部署があります。
中でも表に立って住民の目に触れるのは、市役所などの窓口でしょう。
県庁に努めていた身としては、このへんはよくわからないのですが、
窓口で働いている人は怠けている、ように見えるみたいです。
おそらく、中には仕事中ぼーっとしている職員もいるでしょうし、対応の悪い職員もいるのかもしれませんね。
2.利益や競争を求められないから楽している
民間企業は常に利益を求められ、競争を強いられています。
しかし、公務員にはそれがありません。
それなのに、毎月決まった給料をもらい、ボーナスまである。
税金でそれらがまかなわれている。
これに不満を持つ人は多いみたいですね。
3.民間企業よりも給料が高い
手当なども含めると、民間企業よりも給料が高いのではないかという疑問もあるようです。
まとめると、
- 大した仕事もしていない
- ストレスもない
- それなのに普通以上の給料をもらっている。
だから公務員は給料が高い。
ということです。
ただ、ちょっと反論があります。
1.役所の職員はやる気がない
公務員の仕事は窓口だけではありません。
それ以上にたくさんの仕事を抱えており、両手が塞がっている状態の人も多いです。
そんな中、誰かに声を掛けられたりしたら、ちょっとイラッとします。
上司からどうでもいいことで書類のミスを指摘されたときなんかは正直腹が立ちます。
そんな状況でさらに窓口対応が出来るかというと、私は少し不安です。
それに、公務員は窓口などの目に見える場所以外でもたくさん働いています。
その人達がすべてちゃんと仕事をしていなかったとしたら、日本は今頃破綻しています。
2.利益や競争を求められないから楽している
公務員が民間企業のような利益を求めていたら、とても住みにくい世の中になっていることでしょう。
- 水道料金は跳ね上がります。
- 農家は米を作らなくなり、儲かる作物ばかりが市場に出回ります。
- 山間部への道路は整備されず、都市部ばかり利便性が向上します。
そして、金持ちしか住めない国が出来上がります。
公務員は利益ではなく、国益のために働くべきなのです。
そのため、競争なんかせず、法律や条例に従い仕事を淡々と進めていくのです。
公務員→民間企業に転職した人が使いものにならないのは、
単に公務員という人材が使えないのではなく、この辺の仕事への姿勢が関係しています。
3.民間企業より給料が高い
これについては、そうは思いません。
公務員の給料は、民間企業のピンからキリまでを平均した水準を基準にしています。
ただ、私の大学時代の同期は民間企業と公務員半々で就職しました。
聞くと、断然民間企業のほうが給料は高いです。
同じ大学、同じ環境で、同じような努力をしてきた人を比べると、
公務員の給料は安いというのが実情です。
結局は安いか高いかは人それぞれ
公務員の生涯賃金を勤務年数で割った後の月額平均は約585万円です。
ざっくりと。
これを安いと捉えるか、高いと捉えるかは人それぞれかと思います。
私のように、地方の田舎出身者からすると、地元に残って就職した人よりは給料は高いです。
ただ、大学の同期や実際に働いている人を話すと、安月給だという印象が強いです。
公務員の給料が安いか高いかは、その人の立場によって変わってくる。
だからこそ、いろいろな場所で議論は絶えないのでしょう。
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