チケットやゲーム機などの転売は昔から騒がれていますが、ここ最近特に激しい論争が繰り広げられています。
ニンテンドースイッチ難民として、また私自身転売経験者として、
転売は善か悪か考えてみました。
転売の問題点や今後の規制、本当に儲かっているのか、など多角的に見ていきたいと思います。
そもそも転売とはどういったビジネスなのか?
安く買って高く売る。
この一言に尽きます。
例えばブックオフの転売
例えば昔流行っていたブックオフ転売(せどりなどとも呼ばれています)。
100円の中古本をヤフオクなどで高値で売ります。
これは100円本の中から価値のある本を見つけ出すという作業技術が必要になってきます。
このときに登場する人物は3者
- ブックオフという古本屋
- 転売屋
- 中古本の購入者
1.ブックオフの立場
ブックオフとしては、中々売れない本を100円に値下げして売りさばこうとしています。
ただそれでも売れず、店内の本棚を圧迫し続けています。
誰でもいいから買って欲しい。
転売屋の立場
100円の本の中にも価値のある本がたくさんあることを知っている。
ブックオフに置いてあるその100円本に価値を感じられる読者に売れれば、儲けることが出来る。
中古本の購入者の立場
どうしても欲しい本がある。
しかしその本は絶版となってしまった。
どこかに売ってないかと探しているがなかなか見つからない。
高くてもいいので売って欲しい。
三者の立場として
- ブックオフ→誰でも良いから買ってほしいため100円で販売
- 転売屋→100円本の価値が本来の価値でないと知っている
- 中古本の購入者→高くてもいいので売って欲しい
これら三者の欲求を同時に満たすことが出来るのが、転売というビジネスです。
物が余っている場所から、 物が足りていない場所へ供給するための潤滑油。
この潤滑油となりうる存在が転売屋です。
私自身、昔転売をしていましたが
海外から商品を買い日本でその商品を売るという転売方法です。
これは輸入ビジネスと呼ばれていますが、本質的には転売という言葉で表現できます。
その他日本の商品を海外のオークションサイトなどで転売するということもしてきました。
転売はれっきとしたビジネスです。
あるAという商品をどうしても手に入れたい人がいるとします。
そのAという商品がどこにあるのか、どうやって仕入れるのか、という購入までの障壁があります。
その障壁を取り払い、誰でも購入しやすくする役目を帯びているのが転売屋となります。
どんな商売でも言えることですが、その市場に参加している全員が win-win でなければ商売として成り立ちません。
こうしたことからも、最近よく問題となっている買い占めの転売問題、これは悪と断定できます。
最近の転売の問題点
上でも書きましたが、販売者、転売屋、購入者の三者が同時に欲求を満たせるwin-win-winの関係性が成り立たなければ、転売として成立しません。
最近のチケット転売、ゲーム機の転売は転売屋のみwinという状況です。
転売屋しか儲かりません。
ゲームのメーカーは実際のゲーム機の普及状況がわかりづらくなり、ソフトの出荷数も決めにくくなります。
購入者は本来なら正規の価格で買えたところ、転売屋の買い占めにより無駄にお金を支払わなければなりません。
転売屋さえ存在しなければ、全員がハッピーとなる状況なのです。
世の中に必要とされていないわけで、いうなれば、詐欺師や泥棒のたぐいと同類なわけです。
もちろん今でも正当な転売方法でビジネスを行っている人はたくさんいます。
ごく一部の悪質な転売屋が商品を買い占め不当に料金を吊り上げ、意図的にプレミア価格を作り上げているのです。
転売=悪と世間では言われていますが、もはやこういう人たちのことを転売屋と呼んで欲しくはありません。
転売のイメージを落としてほしくないと、転売経験者である私は心から思っています。
では、この悪質な転売は儲かっているのか
実際のところ儲かっているでしょう。
これは人にもよりますが、大規模に人を雇って商品を仕入れ、さらには監視ツールなどを使って各ネットショップの入荷と同時に買い占めたりしています。
このように大規模な運営をすればそれこそ際限なく儲けは膨らむのだと思います。
ただ、Amazonで販売する場合、手数料がかかります。
ニンテンドースイッチの場合、出品手数料が約3400円。
もしも、定価32380円のニンテンドースイッチを40000円で売ったとしたら、
転売屋の儲けは、約4200円になります。
実質、手数料がかなり取られているわけです。
ここに送料も含めると、さらに儲けは減るでしょう。
つまり、転売屋は数量をこなさなければ、稼げないのが実情です。
そのせいでさらに迷惑な買い占め行為が横行するのでしょう。
約35500円。
ここまで値段下がれば、転売屋の儲けは0円になります。
供給が増え、定価32380円まで下がれば、約2800円の赤字になります。
というわけで、私はニンテンドースイッチの購入は35500円までは待とうと考えています。(笑)
転売に対する規制はありえるのか
こうした買占めによる値段の吊り上げ、転売行為は、誰から見ても迷惑な行為であることは明らかです。
こうした行為に対しての規制はあり得るのでしょうか。
考えられるとしたら、
- 消費者の意識改革
- Amazonなどの販売プラットホーム独自の規制
- 国による法規制
という段階で進んでいくのではないでしょうか。
1.消費者の意識改革
消費者の意識も少しずつ変化しています。
ネットでもよく見かけますが、「転売屋からは買わないように」の文言が目立ちます。
このように一部の人達でも転売屋から購入をしなくなれば、それが広まり一つの風潮となるでしょう。
Amazonの独自規制
これら風潮が功を奏してか、
現にAmazonは2017年9月ごろに一部規約の変更をしました。
これにより、転売の商品は新品というコンディションでは出品できなくなりました。
とはいえ、やはり、ニンテンドースイッチなどの人気商品になるとコンディションなんか関係なく売れてしまうのであまり効果はなさそうです。
ただ、Amazonがこのような姿勢を取ったということが大切で、今後、悪質な転売への規制が進んでいくのではないかと思います。
まあ、一番大きな理由は、詐欺出品対策かもしれませんが。
国による法規制
購入に対する嫌悪感が広く蔓延すれば、国が動くかもしれません。
誰も得をしていない状況が明確になりさえすれば、何かしらの動きは見られるのではないでしょうか。
それを証明するように、チケット転売は少しずつ規制の動きが見えてきてますよね。
それから、経済学上はこうした悪質な転売は問題ないとされていますが、机上の空論としか言えません。
現に不幸になる人が増え続ける現状を見れば、明らかに不当な行いであることがわかるかと思います。
机上の経済学ではなく、現実を見ましょう。
まとめ
この悪質な転売行為も儲かるから人が群がるのです。
何かしらの規制により、儲からなくなればたちまち霧散するでしょう。
転売とは本来、市場の参加者全員が利益を得ることが出来る優れたビジネスのはずです。
そして、こうした小さなビジネスが種となり、新たなビジネスが生まれるのだと私は考えています。
ただ、現在問題となっている買占めによる転売行為からは何も生まれません。
ただただ、規制の対象となるだけで廃れていくビジネスです。
今現在、このビジネスに参入しようとしている人は、少し立ち止まって考え直してください。
もっと社会に貢献できるビジネスはいくらでもありますよ。
それでは。
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